2021年の世相を鮮やかに切り取り、日本中でお茶の間からビジネスシーンまで大きな話題となった「現代用語の基礎知識選 ユーキャン新語・流行語大賞」。年間大賞やトップテンに輝いた言葉は、その年の社会情勢や人々のリアルな空気感を映し出す鏡となっています。
本記事では、2021年の新語・流行語大賞の発表日や年間大賞、受賞語一覧を解説。ノミネートされた全用語の背景や選考理由を紐解きながら、当時の世相を深く振り返ります。
2021年の新語・流行語大賞の発表日と開催概要

「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社が主催する新語・流行語大賞は、毎年10月までのトレンドや話題をもとにノミネート語を選出し、12月上旬に年間大賞およびトップテンを発表するのが恒例となっています。2021年における発表日も例年通り12月上旬に設定されました。
2021年は、前年から続く新型コロナウイルス感染症の影響が社会生活のあらゆる場面に影を落としながらも、東京オリンピック・パラリンピックの開催や、スポーツ界における歴史的快挙など、人々に希望や活力を与えた出来事が交錯した年でした。発表された言葉の数々は、まさに激動の1年間を物語る重要な記録となっています。
2021年の年間大賞は「リアル二刀流/ショータイム」
2021年の年間大賞に輝いたのは、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手に関する言葉である「リアル二刀流/ショータイム」でした。投打の同時出場という近代野球の常識を覆す偉業を成し遂げ、ア・リーグの満票MVPを受賞するなど、世界中の野球ファンを魅了しました。
選考委員会では、コロナ禍や暗いニュースが続く中にあって、大谷選手の圧倒的なパフォーマンスが日本中に爽快な感動と希望をもたらした点が高く評価されました。単なるスポーツの枠を超え、日本全体のモチベーションを高める象徴的なワードとなったことが受賞の大きな理由です。
2021年トップテン受賞語一覧と選考理由
年間大賞と同時に発表されたトップテン(上位10語)には、2021年の社会、文化、トレンドを的確に表す多様な言葉が選ばれました。それぞれの言葉が持つ背景や選考理由は以下の通りです。
| 受賞語 | 主なジャンル | 選考理由・背景 |
|---|---|---|
| リアル二刀流/ショータイム | スポーツ(年間大賞) | 大谷翔平選手のメジャーリーグでの歴史的活躍と、全米を熱狂させた二刀流の偉業を表現。 |
| ゴン攻め/ビッタビタ | スポーツ・文化 | 東京五輪で新競技となったスケートボードの中継解説で使用され、若者を中心に爆発的ブームに。 |
| 人流 | 社会・コロナ対策 | 緊急事態宣言や外出自粛に伴い、人の移動状況を示す行政・メディア用語として定着。 |
| 親ガチャ | 社会問題・若者文化 | 生まれた家庭や親の経済力・環境によって人生が左右されるという現代の格差社会を皮肉ったネットスラング。 |
| スージーズ | エンタメ・ドラマ | TBS系日曜劇場『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』に登場するチーム名や、医療従事者への敬意。 |
| Z世代 | ライフスタイル | デジタルネイティブであり、独自の価値観を持つ1990年代中盤以降生まれの世代への注目。 |
| NFT | テクノロジー・経済 | ブロックチェーン技術を用いたデジタル資産の所有権証明として、アートやビジネス界で急浮上。 |
| Uber Eats(ウーバーイーツ) | フード・ライフスタイル | デリバリー文化の定着と、ギグエコノミーと呼ばれる新しい働き方の象徴として浸透。 |
| 黙食 | コロナ禍の習慣 | 飲食店での感染対策として定着した、会話を控え静かに食事をとるマナー。 |
| まーるい縁側 | ライフスタイル・地域 | 多様性や温かみのあるコミュニティのあり方を象徴する言葉として話題に。 |
スポーツの躍動と日常の変化が生んだ言葉たち
2021年の流行語を振り返ると、上半期から下半期にかけてスポーツイベントが大きな影響を与えたことが分かります。特に東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、競技中の実況や解説から生まれた新鮮なフレーズが広く一般に浸透しました。
スケートボード競技における「ゴン攻め」「ビッタビタ」は、それまで専門的だったスポーツ用語が、解説者の親しみやすいキャラクターと相まってお茶の間の人気を集めた好例です。競技の楽しさや選手のストイックな姿勢が言葉を通じて多くの人々に共有されました。
社会問題とデジタル化を映し出したキーワード
一方で、コロナ禍の長期化に伴う社会構造の変化や、デジタル技術の浸透を背景にした言葉も多くノミネートされました。「人流」や「黙食」は感染症対策としての日常的なキーワードとなり、人々の行動様式の変化を端的に示しています。
また、「親ガチャ」という言葉が広く議論を呼んだことは、現代の若者が直面する社会的な閉塞感や格差に対する意識を浮き彫りにしました。加えて、「NFT」や「Uber Eats」といった言葉の普及は、テクノロジーやライフスタイルのパラダイムシフトが着実に進んでいることを物語っています。
【流行語 2021 発表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2021年の新語・流行語大賞の選考委員は誰が務めましたか?
A1:現代の言語や社会事情に精通した選考委員(姜尚中氏、俵万傑氏、鳥越俊太郎氏、辛坊治郎氏、パトリック・ハーラン氏、室井滋氏、金田一秀穂氏、および「現代用語の基礎知識」編集長)が厳正な審査を行いました。
Q2:年間大賞の「リアル二刀流/ショータイム」以外で、スポーツ関連で注目された言葉は何ですか?
A2:東京五輪のスケートボード解説で話題となった「ゴン攻め/ビッタビタ」がトップテンに選出され、競技の盛り上がりを象徴しました。
Q3:流行語大賞はどのように選ばれるのですか?
A3:1年間に発生したさまざまな言葉の中から候補がノミネートされ、流行語大賞選考委員会が世相を最も反映している言葉を議論のうえで決定します。
2021年の新語・流行語大賞の発表や受賞語一覧を振り返ると、この年はコロナ禍という共通の試練がありながらも、スポーツにおける大偉業や、デジタル社会・新しい生活様式への適応が進んだ記念すべき時期であったことが鮮明に浮かび上がります。
言葉は時代の空気を閉じ込めるタイムカプセルのような役割を持っています。過去のトレンドを正確に読み解くことは、現代および未来の社会動向を見据える上でも非常に重要な価値を持っています。