公営競技として長年ファンを魅了し続けるプロスポーツの世界において、最高峰のスピードと技術を競い合うのがオートレース選手です。正式な呼称は小型自動車競走選手であり、経済産業省が管轄する国家資格所持者として知られています。華やかなレースの裏側では、過酷な入所試験や全寮制の養成所での厳しい訓練、そして選手同士の結婚や引退など、知られざるドラマが存在します。
本記事では、公式データや最新の登録状況に基づき、オートレース選手の知られざる実態、養成所の費用、女子選手の歴史や結婚事情、そしてプロとしての仕事の全貌に迫ります。
オートレース選手とは?経済産業省管轄の国家資格プロスポーツの全貌

オートレース選手は、公営競技のオートレース場において、競走車に騎乗してスピードを競い賞金を獲得するプロスポーツ選手です。一般的には『オートレーサー』の通称で広く親しまれていますが、その法的な正式呼称は小型自動車競走選手となります。他の多くのスポーツとは異なり、経済産業省が管轄する国家資格所持者としての側面を持つ点が大きな特徴です。
レースで使用される競走車は独自の特殊な仕様であり、最高時速は150キロメートルを超えることもあります。選手たちは極限のスピードと技術を競い合うだけでなく、マシンの整備も自ら行わなければなりません。マシンの調子が勝敗を大きく左右するため、卓越したライディングテクニックと深い整備知識の両方が求められる、極めて専門性の高い職業です。
全登録者数と選手養成所における過酷な訓練・費用の実態
公式百科事典などのデータによると、2025年12月31日時点における全登録選手数は415名です。極めて狭き門である入所試験を突破した合格者は、茨城県下妻市の筑波サーキット内に併設されている全寮制の選手養成所に入所します。
養成所での訓練期間は9ヶ月間におよび、競走車の高度な走行技術や整備技術はもちろん、関係法規、一般教養、メンタルトレーニングに至るまで過酷なカリキュラムが組まれます。また、候補生は入所期間中の諸経費の一部として120万円を負担する必要があり、内訳として入所時に30万円を納付し、選手登録後に残りの90万円を一括または分割で納付する仕組みとなっています。
オートレース選手の基本データ・制度概要一覧
オートレース選手の資格要件や養成環境、公式データに関する主な項目を以下のテーブルに整理しました。
| 項目 | 詳細・データ | 備考・補足 |
|---|---|---|
| 正式呼称 | 小型自動車競走選手 | 経済産業省管轄の国家資格プロスポーツ |
| 通称 | オートレーサー | ファンやメディアで一般的に使用される呼称 |
| 全登録者数 | 415名(2025年12月31日時点) | うち女子選手が20名ほど在籍 |
| 選手養成所 | 筑波サーキット内(茨城県下妻市) | 全寮制、訓練期間は9ヶ月間 |
| 養成所費用 | 総額120万円の自己負担 | 入所時30万円、登録後90万円(一括・分割) |
女子オートレース選手の歴史と度重なる時代背景の変遷
オートレースにおける女性の歴史は古く、ダート(泥)コースで競走が行われていた時代には、一時的に女性のオートレース選手が存在していました。当時は150ccの6級車でレースが行われ、半ば見世物的な側面もあったものの人気は高く、浜松オートレース場に所属した岡本七重など多くのファンに支持される人気選手も活躍していました。
加えて、一時期存在した甲子園オートレース場では、人気を盛り上げるために当時の女子競輪選手に競輪との並行出走を打診したこともありました(選手側の辞退により実現せず)。しかし、当時は殉職事故の多発や選手層の薄さによるレースの単調化、人気の低下、そして結婚事情による相次ぐ引退が重なり、岡本七重が1967年10月末に引退したのに伴い、自然消滅という形で一度姿を消すことになりました。
その後、時代を経て女子選手が復活を遂げ、現代のレースシーンにおいてはなくてはならない存在として活躍を続けています。
現役選手同士の結婚・出産:33期を中心に広がる新たなライフステージ
現代のオートレース界においては、女子選手の活躍だけでなく、選手同士の結婚というおめでたい話題もファンや関係者の注目を集めています。近年の公式発表によると、選手間のパートナーシップやライフスタイルの変化を示す重要な出来事が報じられています。
2020年2月5日、「オートレース33期女子オフィシャルブログ」において、浜松所属の金田悠伽が、同期である飯塚所属の吉松優輝と同年2月2日に結婚したことを発表しました。これは、女子オートレース選手が復活した31期以降において、現役女子オートレース選手および現役オートレース選手同士の結婚発表として初の快挙となりました。
さらに同年2020年11月17日には、飯塚所属の吉川麻季(33期)が、浜松所属のトップレーサーである鈴木圭一郎(32期)と同年11月16日に婚姻届を提出して結婚したことが発表されました。これは現役オートレース選手同士の結婚としては2組目となり、トップクラスの選手同士が互いに刺激し合いながらキャリアを築く新しい時代の象徴となっています。
【オートレース選手】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:オートレース選手になるにはどのような国家資格や試験が必要ですか?
A1:経済産業省管轄の小型自動車競走選手の資格を得るため、まずは年1〜2回実施される選手候補生入所試験(学科試験、体力測定、適性検査など)に合格する必要があります。その後、養成所で9ヶ月間の訓練を修了し、選手登録を果たすことでプロとしての資格が与えられます。
Q2:全登録者数のうち、女子選手はどのくらい在籍していますか?
A2:公式データによると、2025年12月31日時点の全登録者数415名のうち、およそ20名の女子選手が所属しており、第一線で男性選手と互角にレースを戦っています。
Q3:現役選手同士の結婚の例はありますか?
A3:はい、33期の金田悠伽選手と吉松優輝選手の結婚や、吉川麻季選手と鈴木圭一郎選手の結婚など、現役選手同士による結婚の公式発表があり、話題となりました。
オートレース選手は、単なるスピードの競い合いにとどまらず、経済産業省管轄の国家資格に裏打ちされた高度なプロフェッショナル集団です。筑波サーキット内の養成所での厳しい訓練や120万円の費用負担を乗り越えた者だけが、415名の限られた登録枠の中でしのぎを削っています。
かつてのダート時代からの歴史的変遷を経て、現代では33期を中心とした女子選手の台頭や、現役選手同士の結婚など、競技を取り巻く環境やライフスタイルも多様化しています。過酷な試験や整備技術の要求、そしてプライベートとキャリアの両立という挑戦を続けながら、オートレース選手たちは今後もファンの心を掴む熱いレースを繰り広げていくでしょう。