invisible hit counter
ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 『このミステリーがすごい!』歴代受賞作と大賞の変遷・最新ランキング完全ガイド

『このミステリーがすごい!』歴代受賞作と大賞の変遷・最新ランキング完全ガイド

朝倉 美緒 朝倉 美緒 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
目次

1988年の創刊以来、日本のミステリーシーンに多大な影響を与え続けている国内最大級のブック・ランキング『このミステリーがすごい!』(宝島社)。読者や作家、書評家などの投票によってその年のベスト・ミステリーを決定するスタイルは、多くのミステリーファンにとって必読のガイドブックとして親しまれてきました。本記事では、創刊の背景から歴代ランキングの特徴、投票方法の変遷、そして新人作家の登竜門である「このミステリーがすごい!」大賞の仕組みまで、その魅力を徹底的に解説します。

近年では、国内部門だけでなく海外部門の充実や、新人発掘オーディションとしての側面も強化され、ランキングの動向は出版業界のみならず映像化作品の選定などエンタメ界全体からも熱い視線が注がれています。2026年現在の最新情報や、ミステリー小説を深く楽しむためのポイントを分かりやすく紐解いていきましょう。

『このミステリーがすごい!』誕生の背景と創刊の理念

このミステリーがすごい

『このミステリーがすごい!』が最初に発行されたのは1988年のことで、当時は『別冊宝島』(宝島社)の誌面におけるミステリー小説のブック・ランキングとしてスタートしました。現在では年末の風物詩として定着しているこの企画ですが、その誕生の裏には、従来の文芸メディアに対する強い問題意識がありました。

公式百科事典などの記録によると、創刊編集者である石倉笑が『週刊文春』の年末企画「傑作ミステリーベスト10」に対して抱いた違和感が、本企画を立ち上げる直接のきっかけとなったとされています。特定の枠組みに囚われない、より広い視点からその年の真に優れたミステリーを網羅したいという思いから、作家、評論家、書店員、読者といった多様なジャンルの有識者による投票形式が採用されました。

また、企画者である茶木則雄らによる尽力もあり、単なるランキングの掲載にとどまらず、作家への詳細なインタビューや覆面座談会、充実した作品解説がセットになった「ミステリーの総合ガイドブック」として独自の地位を確立していきました。2009年からは、おなじみの黒猫探偵「ニャームズ」がキャラクターとして登場し、誌面や関連メディアのナビゲーターとして親しまれています。

投票形式とランキング部門の仕組み

『このミステリーがすごい!』の最大の特徴は、ミステリー界の幅広い層から寄せられる投票をベースにしたランキング形式にあります。選考は大きく「国内部門」と「海外部門」に分かれており、それぞれその年に発表された傑作の中からベストテンが選出されます。

投票には、ミステリー作家や書評家、翻訳家といったプロフェッショナルに加え、熱心なミステリー読者や書店員も参加しています。多角的な視点から票が集まるため、商業的なヒット作だけでなく、玄人好みの隠れた名作や新人の意欲作が上位に食い込むことも多く、読者の新たな本との出会いの場となっています。

加えて、ランキングの公平性と信頼性を保つため、長年にわたり宝島社の自社刊行物はランキングの対象外とされていました。しかし、出版業界や市場環境の変化、そして多様化する作品群をより網羅的に評価するという観点から、2021年版からは宝島社の刊行物も投票対象へとルールが変更されています。この変遷は、常に時代に即したランキングであり続けようとする編集部の姿勢を物語っています。

『このミステリーがすごい!』の歴史と主要な変遷

時期・年号 主な出来事・制度の変更 概要・背景
1988年 『別冊宝島』にて創刊 石倉笑の発案により、年末のミステリーランキング企画としてスタート。
2002年 『このミステリーがすごい!』大賞創設 茶木則雄らが中心となり、新人作家の登竜門として新たな公募型賞を設立。
2009年 黒猫探偵「ニャームズ」登場 誌面のマスコットキャラクターとして登場し、親しみやすさを向上。
2021年版 自社作品の投票対象化 公平性のルールを一部改定し、宝島社の刊行物もランキング対象に含まれるように変更。

新人作家の登竜門:「このミス」大賞の功績と特徴

ランキングの発表にとどまらず、2002年からは新人作家の育成と発掘を目的とした『このミステリーがすごい!』大賞(このミス大賞)が創設されました。こちらの企画も茶木則雄らが中心的役割を果たし、これまでに数多くの才能ある作家を世に送り出しています。

この大賞の大きな特徴は、受賞作の書籍化はもちろんのこと、テレビドラマや映画などの映像化を視野に入れたエンターテインメント性の高い作品を積極的に評価する点にあります。新人賞としては異例のスピードでメディアミックス展開される作品も多く、現代のエンタメ小説界における一大トレンドセッターとしての役割を果たしています。

選考においては、単にトリックの巧妙さや文章力だけでなく、読者を引き込むストーリーテリングやキャラクターの魅力が厳しく審査されます。ここから輩出された作家陣の多くが、その後の日本ミステリー界を担う中核として活躍していることからも、同賞の審美眼の高さがうかがえます。

歴代受賞作・ランキングから読み解くミステリーのトレンド変遷

歴代のランキングや受賞作を振り返ると、時代の変遷とともにミステリー小説のトレンドがどのように変化してきたのかが鮮明に浮かび上がります。創刊初期の1980年代末から1990年代にかけては、本格ミステリーの復興や、いわゆる「新本格」と呼ばれる潮流がランキングの上位を賑わせました。

その後、2000年代以降になると、社会派ミステリーや警察小説、心理サスペンス、さらにはホラーやSFの要素を巧みに取り入れたジャンルミックス型の作品など、多様化が進んでいきました。特に、映像化を意識したスケールの大きなプロットや、予測不能な大どんでん返しを持つ作品が読者の強い支持を集める傾向が強まっています。

海外部門においても、翻訳ミステリーのトレンドをいち早くキャッチし、世界的なベストセラーや映画原作となった話題作が国内の読者に紹介されてきました。「今、世界で何が読まれているのか」「日本の読者はどのような謎解きに熱狂しているのか」を知るための羅針盤として、『このミステリーがすごい!』が果たしてきた役割は計り知れません。

【このミステリー がすごい】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:『このミステリーがすごい!』のランキングはどのようにして決まりますか?
A1:作家、評論家、翻訳家、書店員、熱心なミステリー読者などの投票によって、国内部門と海外部門のそれぞれのベストテンが選出されます。

Q2:宝島社の本はランキングの対象に含まれますか?
A2:かつては公平性を期すために自社作品は対象外とされていましたが、2021年版からは宝島社の刊行物も投票対象に含まれるようにルールが改定されています。

Q3:「このミステリーがすごい!」大賞とランキングの違いは何ですか?
A3:ランキングはすでに発表された既存のミステリー小説を対象にしたベストテンの選発表ですが、「このミス」大賞は新人作家の未発表原稿を募集し、書籍化・映像化を目指す公募型の新人賞です。

『このミステリーがすごい!』は、単なる一年の振り返りにとどまらず、日本のミステリー小説の現在地と未来を示す重要な指標であり続けています。投票形式の変遷や「このミス」大賞を通じた新人の発掘など、時代とともに進化を続ける姿勢こそが、長年多くのファンに愛され続ける理由と言えます。

次に読む一冊に迷ったときや、深く心に残る上質なストーリーに出会いたいときは、過去の歴代ランキングや最新の受賞作をチェックしてみることを強くおすすめします。そこには、あなたの知的好奇心を刺激する、珠玉のミステリー世界が広がっています。

同じカテゴリの記事

朝倉 美緒
トレンドリサーチャー 朝倉 美緒
プロフィールを見る →

映画ライター歴9年。公開日と配信開始日は公式サイトとプレスシートで確認してから原稿に入れます。

おすすめの関連記事